この2つの言葉は曖昧な認識のまま使われていると思います。
一緒だと感じる人もいると思いますが、厳密に言うと違ってきて、物理学的要素が入っていくるのでややこしいのですが、簡単に言うと、
筋力
ある速度で力を発揮する能力のこと
これはわかりやすいと思います。
例えば、みんな大好きベンチプレスで考えてみると、
- 60kgのバーベルを挙げる人
- 100kgのバーベル挙げる人
当然2の人の方が筋力がありますね。
ここで気をつけるのが2つとも同じ速度の場合です。
仮に1の場合の速度が音速並の速度であれば1の人の方が筋力があると言えるでしょう。
パワー
発揮された力と速度の積
式で書くとパワー=(力×移動距離)÷時間=仕事÷時間
これはよくわからないのでもっとわかりやすく言うと、パワーは
どれだけの時間で、どれだけ重いものを、どれだけの距離移動させたか。
なので、重ければ重いほど、距離が長ければ長いほど、時間が短ければ短いほど、パワーがあるってことになります。
再びみんな大好きベンチプレスで考えてみましょう。
- 60kgのバーベルを10秒で10回挙げた場合
- 100kgのバーベル1回を5秒で何とか挙げた場合
どっちがパワーあると思いますか?
正解は1です。
いや正解出すの早!しかも太字で強調してるから視界に入ってくる!
と言われてしまいそうですが、気にせず理由を考えてみましょう。
ここから少し物理や数学になってくるので、頭痛くなるー吐きそうーって方は飛ばしてください。それでは計算してみましょう!
<条件>計算しやすいように、バーの動く距離を垂直に50cm(0.5m)、バーの加速度を挙げるときも下げるときも0.5m/s2、重力加速度を10m/s2とします。
まず1の場合から
重力加速度とバーの重量をかけて必要な力を出します。
10[m/s2]×60[kg]=600[N]
次にバーを上方向に動かすための力
0.5[m/s2]×60[kg]=30[N]
2つの力を0.5[m]を10回動かした時の仕事量が
(600[N]+30[N])×0.5[m]×10回=3150[J]
かかった時間が10秒なので、平均パワーは
3150[J]/10[s]=315[W] になります。
これが挙げる時のパワーで、次に下げる時のパワーも同様に計算して
(600[N]-30[N])×-0.5[m]×10回=-2350[J] 上方向を正にしてる為、負になります。
-2350[J]/10[s]=-235[W]
下げるときは負ですが、どっちも出力したパワーなので両パワーを足すと、
315+235=550[W] になります。
次に2の場合も同様に
10[m/s2]×100[kg]=1000[N]
0.5[m/s2]×100[kg]=50[N]
(1000[N]+50[N])×0.5[m]×1回=525[J]
525[J]/5[s]=105[W]
下げるパワーは
(1000[N]-50[N])×-0.5[m]×1回=-475[J]
-475[J]/5[s]=-95[W]
挙げ下げパワーの合計が
105[W]+95[W]=200[W]
まとめると
- 60kgのバーベルを10秒で10回挙げた場合が550[W]
- 100kgのバーベル1回を5秒で何とか挙げた場合が200[W]
となって、2.5倍もの差が出ました!
疲れましたね!
でも印象的には100kg挙げたほうがパワーあるって言いたくなりますが、むしろ逆だったなんて何だか面白いですね!
一般の方は筋力とパワーの違いなんて気にしてないし、気にする必要もないと思いますが、雑学として知っていてもいいかなと思います。
誰かに教えたくなったときは、興味ない人に話してもウザがられるだけなので気をつけましょう笑
僕自身もまだまだ勉強中なので、もし間違っていたら遠慮なく教えてください!
ほとんど計算で疲れちゃったので、今回はこの辺で!