電車を降りてバス停へ向かう途中、周りを見渡してみる。
辺りには四角くてとても大きな塊と複雑に張り巡らされた電線が見えた。
そんなちょっと都会なら当たり前な景色を見て、僕は改めて思った。
人間ってすごいなって。
もともとは何もないまっさらなところに、こんなにもデカイ塊を出現させてしまうんだから。
そのデカイ塊が出来上がる過程を最初から最後まで見れるわけもないので、僕らが気づいた時にはすでにそれはそこにいる。
あたかも急に出現したかのような錯覚に一瞬陥る。
僕らみたいな小さな人間が、自分たちの何百倍、何万倍もの大きさのモノを創り出すんだからほんと人間ってすごい生き物だ。
地球の外にだって行けてしまうんだからこれまた凄い。
凄すぎてどれくらい凄いことなのかわからないよ。
僕ら人間は自分たちが思っているよりもずっと優秀な生き物だ。
僕らが本気を出したらできないことなんてないんじゃないかな。
僕ら人間と地球が築き上げてきたこの景色を見るとなんだかそう思えるよ。
だから初めからできないからって諦めて何もしないなんてものすごく勿体無いことだと思う。
膨大な時間やお金が必要なことだってあるだろうけど、みんなが助け合えばきっとできるよ。
僕らは一人じゃない。
人間は力を合わせた時にこそ想像をもはるかに越える結末を生み出すことがある。
僕はそう思う。
会社に向かう道の途中でね。