ケガとリフティングベルトについて

リフティングベルト

背部のケガ

椎間板ヘルニアのうち85%〜90%が腰椎で一番したにある2つの腰椎間(L4-L5)または腰椎と仙椎(L5-S1)の椎間板に発生しています。

これは前回の記事の図を見てもらえるとわかると思いますが、スクワットの動作など体幹が前傾すると重心から遠ざかりその分トルクが加わってしまう(つまり負荷が大きい)ためです。

前回の図、ローバースクワットの方が腰部の負担が大きくなりがち

また空き缶やペットボトルで試すとわかりやすいかと思いますが、背部を丸めると椎間板前部が押しつぶされ、逆に反りすぎると椎間板後部が押し潰される形になり、そのまま負荷が加わると損傷してしまう恐れがあります。

これらの障害を予防するには、背部を丸めず、かつ反りすぎず、ニュートラル(自然な形)に保った姿勢の方がいいです。またその姿勢の方が発揮できる力が大きいです。

リフティングベルトは付けるべきか

結論から言うと、時と場合によります

そもそもなんのためにベルトを付けるのかを理解しているかが大事です。

なぜベルトを付けるのか

ベルトを付けることで、腹腔内圧が上昇し、体幹部が安定します。それによって高重量を扱え、なおかつ安全性が増します。

ですが、ずっとベルト付けている人をたまに見かけますが、あれはおすすめできません。

なぜならベルトに頼りっぱなしだと、腹腔内圧を上昇させる腹筋群の機能が低下し、そんな状態で突然ベルトなしでトレーニングを行うとケガをしてしまう危険があるからです。

なのでベルトをなんで付けるかを理解した上で正しく使用してください。

注意ポイント

  • 下背部に直接影響しないエクササイズでは、ベルトを着用しない
  • 最大挙上重量、またはそれに近い重量を扱う場合のみベルトを着用する
  • 背筋群、腹腔内圧上昇に関わる筋群を鍛え、安全な技術を身につけるためであればベルトを着用しないのもあり

ベルトを使用せずバルサルバ法というので体幹を安定させるやり方もあります。

バルサルバ法は、空気を吸って声門を閉じることで空気を肺内に閉じ込め、体幹部を安定させる方法です。

しかし、心臓への負担や高血圧などの心配があるので、必ずしもこのバルサルバ法を行う必要はなく、声門を閉じなくても横隔膜や腹筋を収縮させて体幹を安定させることは可能です。

バルサルバ法の危険性やテクニックを理解している選手は選択肢に入れても大丈夫です。

まだトレーニングを始めたばっかりの方は、ただみんながベルトしてるからするのではなくて、なんでベルトをしているのかを理解し、そしてそれが自分にも必要かどうかを判断してください。

おまけ

肩は股関節と違い完全な球関節ではないため、安定性は低い。

身体の関節の中で最も大きな可動域を持っている。が故に傷害を起こしやすい脆弱性がある。

安定性、特に回旋筋腱板(ローテーターカフ:棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)や胸筋群は、上腕骨頭の保持に重要な役割

大腿と下腿という2本の長いてこの間にあるために、ケガが発生しやすい

非常に多い量や、強度のトレーニングを適切な段階を経ることなく行った場合、圧痛や腫れを特徴とする腱炎を起こす可能性があるので、負荷や量、回復は適切に選択しましょう。

ニーラップの強力なバネ効果により、スクワットで平均110N(役11kg)増大することが示されているが、皮膚の損傷や、膝蓋骨後面の軟骨の滑らかさが失われるといった報告もある。

ニーラップの傷害予防効果についてのエビデンスが不足しているため、使用は最大重量のセットのみといったように必要最小限にするべきでしょう。

とにかく安全第一でトレーニングは楽しみましょう!

そして元気な身体を手に入れましょう!

参考文献

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